「SUN」紹介/三部作連想
この夏、小冊子「SUN」を制作・発行した。
ことしの絵をさまざま(水彩、コラージュ、スケッチ)、散文と写真等を収録し、わたしの近況そのものを写した画面にしてある。
「SUN」の内容・仕様は当記事さいごに記入するとして、漫画本以外の制作について現在思い描いていることを言いたい。
現在わたしは仕事以外で「〇〇に向けて」「〇〇のため」の制作を持たず、なるべく観念と策略から離れた、こどもの「手遊び」から生まれるような「表れ」を見つめようとしている。
「SUN」に書いたことでもあるのだが、こどもとは、生まれながらすで画家なのだ。その小さな身の内には「表わしたい」欲望がおどっている。ことばもおなじこと。生まれて初めて発したことば。その熱量をいままた、おとなになったわたしが表現しうるかどうか。あらためて挑むというよりも人生そのものから本願を拾いあげる。日々そのように生きる。手立てはすでにわたしのなかにある。
三部作と記したのは「SUN」から「MOON」そして「STAR」を連想しているためだ。
本の形をとっている「SUN」につづく「MOON」は本ではなく、紙ですらないかもしれないし、「STAR」は摂取したら消えるもの、とか。
遊びは絶大に。
「SUN」発行のタイミングでコミックマーケット100へ参加し「ぼくと先輩」のわきで展示販売をしたが立読み止まりで販売実績は未だなし。そこでわたしは考えた。
売らずにいこう。宣伝もすこしがいいや。販売は最終「STAR」が出来したのち3つをひとまとめハッピーセット状態にして行おう。それはきっと真冬の星空を拝める、12月だな。わたしの個展があるころだ。おお、クリスマスプレゼント。
きらきら光る喜びのものを作れますように。
目にしたあなたが心潤いますように。
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最後に小冊子の仕様、本の制作上工夫した点、原画について。
「SUN」
A5サイズ/中とじ/12ページ/家庭用プリンターピクサスにてフルカラー印刷
1Pタイトル、水彩抽象画(新聞用紙に透明水彩)/紙・マーメイド
2P散文、水彩群衆のシルエット(水彩紙に透明水彩)/紙・マーメイド
3Pコラージュ抽象(紙、インクほか 原画は凹凸があるため写真データにして印刷)/紙・キュリアス
4P水彩人物等(新聞用紙)/紙・キュリアス
5P水墨人物等(水彩紙)/紙・伊勢和紙(つるつる面)
6Pペンスケッチ街・神楽坂(水彩紙にピグマ)/伊勢和紙(ざらざら面)
7P水墨スケッチ街・十三(水彩紙、墨汁、色鉛筆)/伊勢和紙(ざらざら面)
8P散文、写真・神戸岡本/伊勢和紙(つるつる面)
9P水彩画、ロゴの習作(水彩紙、透明水彩)/キュリアス
10Pコラージュ抽象(3Pの半分)/キュリアス
11P著者近影、コラージュの写真データ、水彩(2Pの半分)/マーメイド
12P水彩風景画(新聞用紙に透明水彩)/マーメイド
画と印刷の出かた、紙との相性の三つ巴。編集のうでまくり。中とじにおけるレイアウトを丹念に調整した。
原画は日々無為にふえていくなかから、本としてのストーリー性に沿ってピックアップした。
(2022年8月17日 木村さくら)
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