ほうとうのこと
「読む側の状態によって、またそのときの状況や環境によって、感じかたが変わる」
わが漫画本に対する、友からの評価です。
わたしは今「ぼくと先輩」1巻重版に際し、印刷所の新たな規定に沿うよう原稿に手を入れることとなり、強制的に全ページをくまなく読み(見)かえしています。
それで友の言うことがやっとわかった。1巻出来から4年、みずからの視点の変化を感じます。
これ(ぼく先)に何かを感じて読める人は、自分のなかに膨大な想いがあり、それを表現したい(してみたい)願いを持っているのではないかな。ごちゃまぜの、発展途上の、しかしたしかに呼吸している、もうひとつの世界をかいま見て。そんなあなたがわたしは愛おしい。
現実には著者の木村さくらは生きて居るのですが、1巻には「さくら先生」が登場して発言しています。先にのべたように膨大になった想いを表わさずにいられなくなった決意が「自分のすべてをかけて自分のものを作る」。
このシンプルな意思を保てない時もあります。しかしわたしたちにはさらに、主人公ふたりそれぞれからの道しるべがある。
「きみはどこへいく。何をする」
「あなたの話をぼくは聞きたい」
現実にはひとりきりだけど、近場くん・遠久野さんはわたしとずっと3人でいたんだと思います。(いつからいたんだよ?って言いたくなります)
さて、冒頭に書いた印刷所の「新たな規定」。それのみならず小さな変更で不便になったことや、生活に関わる大きな改変までもが、わたしの身の回りで立て続けに起きています。
嘆きも怒りも批判も、自分の心に必要ならば発してしかるべきでしょう。会話のなかで。SNSやブログでも。しかしそこはぜひ「あなたの表現で」と願います。
表現は磨くものではない気がしています。自分の中心に向かって剥いていくもの。こどものあなたがさしだす、丸くて光る「ほんとうのこと」です。
今日も読んでくれてありがとう。
さいごに描き下ろしを!
ひさびさ揃ったスリー・カード。ほがらかにいきましょう!
(2022年6月21日 夏至 木村さくら)
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