「つぼみのさくら」木村さくら新作原画展のお知らせ
●展示作案内
一見すると重鈍な女が、高い集中力と柔軟な身のこなしで家事を遂行していく。
山ほどの洗たくものは2ビートでみるみる片付き、本棚のほこりとりは上腕エクササイズさながら。運命のひとを愛おしむかのように、便器は抱いて磨くもの。
応援をくれるかわいい者たちとキッチンで乱舞して急転、あらまいやだよ調味料きらしちゃってる!
11枚の絵は漫画や絵本のように続けて読めるしかけになっている。
言葉はないから今ここで言っておきたいことがある。
この主人公はわたしだ。
そしてあなただ。家事をする全てのひとだ。
あなたの作業は切実だ。成果は残らず、消えていくのに、やることはいつまでもなくならない。
賞賛はなく、たとえ応援されても感謝されても終わりがない。反復横跳び。たったひとりの…。
夕闇せまるスーパーへの道。小雨がかの女を刺す。見上げた空になにを思う?
いっしょに生きよう
ばらばらの心のままに
それぞれの方向を見て、別々の土地で
わたしは思い出すよ
あのひとも洗濯ものをたたむだろうし
彼女は今日も本棚のほこりをはたく
迎えるゲストのためにトイレを磨く店主
狭い台所であの子は湯気と踊ってる
日々のなかにみんなをみてる
いまわたし同じことしてる
いっしょに生きよう
最後女はスーパーマーケットで「新しいなにか」を手に入れて自宅へ帰る。
チャプチャプ水に浸り、タバコを吸ってドーナツ煙を吐く。こやつについて、わたしに作為はないし、正体は知らない。希望か疫病神か。いずれにせよ、わたしやあなた、みんなのところへ、日常とつづきのところからやってきた、変化の兆しであろう。
●開催概要
木村さくら原画展
「つぼみのさくら」
展示期間/
2022年3月22日(火)〜4月23日(土)
会場/
食堂 蕾
東京都新宿区若松町32-4
03-3203-7426
http://tubomi-tubomi.blogspot.com/?m=1
月〜金11:30-13:30、17:30-19:45
(土日祝定休)
展示期間中特別開店あり。
木村さくら在店します。
4月9日(土)、
4月23日(土)
11:00-17:00(食堂営業お休み)
上記日程以外で展示ご鑑賞のみのご来店は営業時間外で要予約となります。
食堂営業時間内はお食事のご注文をお願いいたします。
詳しくは「蕾」までメールでお問い合わせください。
tubomishokudou@gmail.com
以上お知らせでした。
2022年「ぼくと先輩」以外の新作が相次ぎますが、厳密に言うと「ぼく先」は一瞬たりとも止まりません。
わたしの感知や経験、生きるすべてが、そこに表わされていくのですから。
そして実際「ぼく先」のイベントごともこの春から続々あります。歓天喜地のご報告をお待ちください!
(2022年3月18日 木村さくら)
0コメント